私が思うUXの基本概念
UXとは何か」をあらためて整理します。
「UX = 使いやすさ」ではない
よくある勘違いとして、「UX = ユーザーの使いやすさ」という理解がありますが、ここでは少し違う捉え方をします。
僕は、UXは「ユーザーに一貫した体験を提供すること」だと考えています。
映画の例えで考える
映画で考えてみると分かりやすいです。
- 映画には必ず「テーマ」があります。
- そのテーマが観客に伝わるように、脚本・映像・音楽・演出が組み合わされています。
- テーマと関係ない要素が増えすぎると、何を伝えたいのか分からなくなります。
重要なのは、
- 1つの映画につき、伝えたいテーマは基本的に1つ
- 余分な要素は削った方が、テーマが強く伝わる
ということです。
プロダクトも同じで、
- 「このプロダクトは何を解決するためのものか」
- 「ユーザーにどんな状態になってほしいのか」
というテーマを決め、それに沿った体験を一貫して提供することがUXだと考えています。
プロダクトの「テーマ」を軸に決めていくもの
プロダクトで言えば、「テーマ」とはそのプロダクトが解決したい課題や、提供したい価値そのものです。
- まずは「何を解決するプロダクトなのか」をはっきりさせる
- それを軸にして、ペルソナ(誰のためか)や利用シーン(どこで・いつ使うか)を決めていく
- テーマに沿って、画面構成・文言・フローなどを整えていく
という順番で考えると、UXの一貫性が保ちやすくなります。
UIの良し悪しを議論する前に、
> 「このプロダクトは、ユーザーにとってどんな“映画”でありたいのか?」
というテーマを、チームで共有しておくことがとても重要です。
私の中の、UIの定義
私はUIを次のように定義します。
「UIとは、機能をビジュアルとして表現したもの」
それ以上でも、それ以下でもない、という立場です。
UIが評価されるポイントは、主に次の3つだと考えています。
1. コンポーネントとしての一貫した体験があるか
- 同じ操作をするときに、毎回同じ見た目・動きで応えてくれるか
2. 汎用性があるか
- 1つの画面専用ではなく、他の場面でも再利用しやすい形か
3. コードとして実用的か
- 実装しやすく、メンテナンスしやすい構造になっているか
「使いやすい」という可変する定義
「使いやすいUI」とは、人によって定義が変わります。
若者と高齢者、健常者と障害のある方、現場担当と管理職では、何を「使いやすい」と感じるかは大きく異なります。
だからこそ、
- そのプロダクトがどんな文脈で使われるか
- 誰のための UI なのか
といった使用文脈を定義することが、UIをデザインするうえで非常に重要になってきます。
UXとは「テーマに沿うための制約を明確にすること」
UXは、単に「便利」「快適」を追い求めるだけではありません。
むしろ重要なのは、テーマに沿って最もそれが表現できる形のために、「どんな制約を引くか」を明確にすることだと考えています。
- あえて機能を増やさない
- 対象ユーザーを絞る
- 表示する情報を削る
- 操作の自由度をあえて制限する
こういった「引き算」や「制約」こそが、結果的に一貫した体験につながる事が多々あります。