2025-12-22
UX / UIの代表的な原則・法則
UI / UX を考えるときに役立つ「代表的な法則」を簡単にまとめています。
全部覚える必要はありませんが、「あ、これジャムのやつだな」くらいに思い出せると判断が楽になります。
マジックナンバーとチャンク(人は一度に多くを覚えられない)
- 一度に意識・記憶できる情報の数には限界がある、という考え方。
- 古くは「7 ± 2」と言われましたが、実務では3〜5個くらいを目安にするとちょうどいいことが多いです。
使用例
- フィルター条件の数を絞る(最重要の条件を3〜5個にする)
- 一度に見せる状態区分を増やしすぎない
- メニューやタブの数を必要以上に増やさない
ジャムの法則(選択肢が多すぎると選ばれない)
スーパーマーケットのジャムの実験で有名な話。
選択肢が多すぎると、人は「選べなくなる/決められなくなる」という現象。
ポイント
- 「たくさん選べる」ことが、必ずしも「良いUX」ではない
- 本当に使ってほしい選択肢は、数を絞ったほうが選ばれやすい
使用例
- アラートの種類や閾値モードを細かく増やしすぎない
- プルダウンの選択肢を必要最低限にする
- 「詳細設定」は折りたたみにして、普段は見せない
Hickの法則(選択肢が多いほど決定に時間がかかる)
- 選択肢が増えるほど、意思決定に時間がかかるという法則。
- 選ぶ項目が多い画面ほど、「どれを押せばいいか」迷いやすくなる。
使用例
- 1画面に「主役級のボタン」をいくつも置かない
- フローの中で「このステップでは〇〇だけ決めてもらう」と絞る
- 一度に全部設定させるのではなく、ステップを分ける
Jakobの法則(ユーザーは他のサービスと同じ動作を期待する)
- ユーザーは、これまで使ってきた他のサイトやツールの経験から、
「このUIはこう動くはず」と無意識に期待している、という考え方。
ポイント
- 独自性よりも、「見ただけで何となく分かるパターン」を優先したほうが迷われないことが多い
使用例
- ボタンの色・位置は、一般的なパターンから大きく外さない
- 保存、キャンセル、戻るなどの動きは、他の業務ツールと同じパターンを踏襲する
- スイッチやトグルの挙動も、一般的な期待に合わせる
選択肢よりも「エラー防止」を優先する(誤操作はUXの大敵)
- Nielsenのヒューリスティクスなどでも強調される、「エラー防止と回復のしやすさ」の考え方。
- 「誤操作をしにくいこと」「してしまっても戻せること」は、業務ツールにおいて特に重要。
使用例
- 削除・リセットなどは danger ボタンで目立たせる&確認を挟む
- 取り返しのつかない操作は、ワンクッション置く
- 「押した瞬間に何が起きるか」がラベルと配置で分かるようにする
Peak–Endの法則(人は「ピーク」と「終わり」で体験を評価しがち)
- 人は、ある体験全体を振り返るとき、「一番強く印象に残った瞬間」と「最後の瞬間」で記憶をまとめてしまう、という心理的な傾向。
- 初回設定やチュートリアルなど、「最初の山場」をできるだけスムーズにする
- エラー後のメッセージや復帰フローを丁寧にして、「終わり」の印象を悪くしすぎない
- 成功したときのフィードバック(保存完了など)を分かりやすく返す
法則は、共通認識を作るためのツール
これらの法則は、「守らないといけない縛り」というより、
迷ったときに
- 「選択肢が多すぎないか?」
- 「情報を詰め込みすぎていないか?」
- 「本当にこの画面で全部やらせる必要があるか?」
と立ち止まるための、チェックリストとして使ってもらえれば十分です。
UIを議論する中で、
- 「これはジャムの法則的に多すぎるね」
- 「ここは現場リーダーのマジックナンバーを超えてる気がする」
みたいな軽いキーワードとしてチームで共有できると、会話の粒度も揃いやすくなるはずです。